排尿障害の鍼灸施術
2017/06/28
Acupunct Labの片山です。今日は宮崎大学医学部泌尿器科で行っている、私の研究領域である排尿障害についてお話します。排尿障害と言っても頻尿、おしっこが出にくい、または漏れやすい、排尿時痛があるなど様々な症状があります。過活動膀胱という疾患は日本では840万人以上いるとされ、夜間頻尿がある方とない方では生存率に差があるとさえ言われています。(夜間頻尿がある方が悪くなる)おしっこの話なんて歳だから当たり前、恥ずかしいから人様に言えることではないし。。。と考えている方が多いと思います。しかし、生活の質は大きく損なわれ、困っている方は非常に多いのです。
一般的には服薬や骨盤底筋のトレーニングなど保存的な方法がとられますが、難治性の頻尿や痛み、尿失禁には手術が行われることもあります。
頻尿の手術としてsacral neuromodulation(仙骨神経刺激療法)という、膀胱を支配する神経付近に金属リードを埋め込み、長時間電気刺激を行うという方法が保険収載されます。海外では早くからこの手術が行われており、高い治療効果があると多くの論文が発表されています。 (画像;産経ニュースより)
これらの論文を読んで、これって鍼でも似たような刺激ができるのではないか!?と思い、協力者の方に鍼をさしてCTで確認しました。(左写真)手術と同じように鍼が骨の穴を通り、神経刺激を行うことができる可能性を示しました。
鍼を挿入して電気を流し、患者さんの電気が流れている感覚を訪ねながら、正しい位置きめを行います。
CT evaluation of acupuncture needles inserted into sacral foramina. acupunct med 2015
この方法で、難治性の間質性膀胱炎や慢性前立腺炎などに対する施術を、宮崎大学泌尿器科、他病院の先生からご紹介をいただき行っております。お困りの方は、ご相談ください。